映画「人生フルーツ」

【人生フルーツ】

 

昨晩は東久留米ドキュメンタリー映画祭で
「人生フルーツ」を観ました。
家の近所で観ることができるのはありがたいです。

 

津端修一さん、英子さんの日常をたんたんと綴る物語。

 

お二人は300坪の土地に自分達で木を植えて雑木林をつくり、

庭には70種類もの野菜を育て、50種類の果物が実ります。

 

 

 

 

英子さんは次々とジャムやお菓子やお料理を作り出します。

 

修一さんは建築家で、大規模な団地建設の都市計画に携わってきました。
地形を活かして計画する事によって、環境を極力変えない工夫や、

風や光の導線や、雑木林を残す計画は、
ことごとく許されませんでした。

 

時代は高度経済成長期。

 

無駄を排除して、効率重視の世の中では、

自分の家がどこであるか見分けがつかないような無機質な街並みになってしまいました。

 

だからこそ、ご自分の生活は、自分で作れるものは、

コツコツ自分でやってみることを大切にされていました。

 

時間はかかるけれども、何か見えてくるものがあると、

映画の中でも何度もおっしゃっていました。

 

歌うことも、コツコツ、たんたんと、時間をかけてやれば、

見えてくるものがあります。

 

「時をためてゆっくりと」

 

これは映画の中のセリフ。

 

一番胸に染みました。

 

歌も早く上達したい、早く自分の本来の声を見つけたいと思う人が多いです。

 

でも残念ながら、簡単には身に付きません。

 

人生と一緒。

 

一喜一憂することなく、陽が沈んで夜が来れば、また、いずれ朝日が昇るように、

当たり前に、毎日、毎日時間をかけてやっていくこと。

 

そうすれば自然と自分本来の声を見つけることができます。

 

あせらないで、自分を信頼すること。

 

 

谷中美香さん「音楽を描く」レッスン

 

9月が来るのを楽しみにしていました。

というのは、谷中美香さんの「音楽を描く」というレッスンに参加できるから。

谷中さんは愛媛にお住まいで、1年に何度か東京でも講座を開いていらっしゃいます。

7月に谷中さんにご連絡を差し上げた時に、次に東京へお越しになるのは9月と聞いて、

その日を待ちわびていたのでした。

 

その2か月の間、私は谷中さんのホームページに綴られる記事を時間があると読んでいました。

その文章からは、谷中さんの音楽に対する思いや情熱、

そして、谷中さんと一緒にワークをする仲間の事などが深い愛情と共に綴られていて、

私はお会いする前から谷中さんを少し身近に感じていました。

 

お約束の日は、レッスンの開始時刻の1時間前に会って、

お昼をご一緒しませんかと誘って頂きました。

どこかレッスン室の会場近くのレストランでお昼を頂くのだろうと

想像していたのですが、

キッシュとピクルスの入った袋を下げた谷中さんが現れました。

 

自己紹介もそこそこに、二人でテーブルを囲んで飾らない昼食が始まりました。

ホームページに綴られている通りのイメージの谷中さんでした。

谷中さんの文章は明晰な思考で考えられた構図の中に、

ユーモアやおおらかさも兼ね備えています。

今、書いていて思いついたのですが、それって音楽みたいだなと。

だから私は彼女の文章に惹きつけられるのかもしれません。

 

そして、いよいよレッスンが始まりました。

机の上には画用紙とクレヨン、パステル、色鉛筆、えんぴつなど様々な書くものが並んでいます。

そこから自分の好きな物を選びます。

そしてまず、画用紙を両手の平で触ってみます。

その感触を言葉で表していきます。

 

それから目を閉じて同じことをしました。

すると、目を開いて触っていた時とは違う感覚がありました。

音が聞こえてきたのです。

きっと目を開けていた時にも音は聞こえていたはずですが、

私は聞き逃していたのだと思います。

触覚と音は何か関係が深いものと思って来ましたが、目を閉じることによって、

もっと音に対しての感覚が研ぎ澄まされる体験が驚きであり、新鮮でした。

 

それから谷中さんの弾かれるピアノに合わせて、画用紙に音を線で描いていきました。

左手で弾かれる旋律を、そして、右手の旋律へ。

目に見える線で現れた音がどのように組み合わさって、または、並んで、離れて、

交わって進行していくのかがよく分かりました。

夢中になっている自分がいました。

 

そして今度は私がこのレッスンの為に選んできた曲を線で描いてみました。

モチーフとなる線が現れて、それをじっくり味わいながら描いて行きます。

あせらず、たっぷりと時間をかけるところはかけて。

すっと流れるところは、軽やかに。

 

その体験をしてから、ピアノに向かい、弾いてみます。

私の指は、画用紙の上を自由に動く線描のように、鍵盤の上を滑っていきました。

 

私の谷中さんのレッスンを受けてみたいと思った動機は、

自分と楽器の間にある垣根を取り去りたいと思ったからなのです。

自分の体を自由に使って、自分の思い描くように楽器を弾くことができたら、

どんなに幸せだろうと思っていたのです。

 

谷中さんとのレッスンを通して、その一歩が開かれたような兆しがあります。

 

谷中美香さんのHP utena music field

 http://utenamuse.mimoza.jp/egak

 

 

自由なスピリットとなる

 

先週、患者さんを見送りました。

 

2年半という期間、一緒に療法を行いました。

 

初めてお会いした時からの事が、

 

鮮明に蘇ります。

 

 

音程が取れないので、歌うことは子供の時から

 

苦手でした。

 

そんな私でも歌唱療法ができるのでしょうか?

 

それがその方の第一声でした。

 

 

毎回レッスンにいらっしゃる度に、

 

課題に果敢に取り組み、

 

 

いつしかその問題はなくなりました。

 

歌うことがなによりの楽しいことになりました。

 

 

私にとってもその方と過ごす療法の時間は

 

ものすごく濃い時間となりました。

 

療法士としての魂をその方に磨いて頂きました。

 

 

今日のレッスンにいらっしゃった方と一緒に、

 

その方が好きだったDona Nobis Pacem(私たちに平和を与えてください)を歌いました。

 

これからは自由なスピリットとなって、その歌声を天界に響かせていらっしゃると思います。